仕事に使われるもので必需品はいくつかありますが、その中でも重要なものが名刺です。
日本では特に、初対面では最初に行うとか、両手で受け取るとか、話の最中は名刺を並べておくとか、いろいろなマナーがあります。
それがわずらわしくもありますが、手続きとしてやっているおかげで、話をしている間に相手の名前がわからなくなったりだとか、連絡先が不明、といったこともなくなる利点もあります。
では海外では、名刺はどのように扱われているのでしょうか。

たまに、名刺は日本だけのものだと考えている人もいますが、そんなことはありません。海外でも日本と同じように名刺は使われています。
ただ、違いはいくつかあります。

たとえば、日本のように名刺の扱いに対するマナーは、あまりないといえます。もちろん、相手からもらった名刺を雑に放り出すようなことは非常識ですからありませんし、日本のマナーを勉強して、合わせてくれることもあるでしょう。ですが基本は、名刺は名前や電話番号、メールアドレスなどが書いてある小さな紙です。名刺というのはデータだといえるでしょう。あくまで連絡先、という意識が強いわけです。
そのため、会った人にはとりあえず渡しておくということではなく、連絡を取りたい相手だけに名刺を渡す、いわゆる連絡先交換という意味での名刺交換になることも多いです。

なのですが、データだけではない一面もあります。
名刺の形を自己流にしたり、あるいは大きなものにしたり、材質が紙ではなく金属、プラスチックだったりと、自分を表現したり、会社の特徴を示すものとして使われている部分もあります。
ですから、日本の名刺は形にはまっているともいえますし、仕事に使われる上でサイズも統一されている、洗練されたものだともいえるでしょう。

とはいえ、日本でもそのような特徴的な名刺を使っている人もいます。
海外と同じように、表現をするためだったり、企業の特徴を示す道具にもしているわけです。
最近なら、3Dプリンターのメーカーだったら、通常の名刺の大きさ、厚みで、樹脂に名前やデータが刻まれている樹脂製名刺を作って渡せば、技術力を示したりもできるというわけです。
特に中小企業、あるいは自営業の経営者などは、自分を覚えてもらえるかどうかが、今回の取引だけでなく、未来の取引のきっかけにもなります。
いまは、企業だけでなく個人もSNSなどでいくらでも連絡先を探せるということで、あえて名前だけ、という名刺でも印象さえ残せばいいという考え方など、様々なアプローチを取っている名刺があります。